「耐震診断」という業務は、ゼネコン、工務店、ハウスメーカー、リフォーム会社など実に多くの企業が行っています。もちろんその中には、われわれ設計事務所も入っております。
しかし、他の業種の企業と設計事務所の大きな違いは、その目的にあると考えられます。
「耐震診断・耐震補強」というものは、「耐震診断」を行い、その結果、建築物に脆弱性が見受けられた場合に改修を行います。そして、その改修の内容は、「耐震補強設計」を行い、実際の「施工」を行うという流れになります。

設計事務所は、上記の中の「耐震診断」、「耐震補強設計」とその後の施工の「監理」を行いますが、他の企業は、どちらかというと、「施工」部分が業務のメインといえます。

なぜなら、「施工」の部分が最も金額が高い部分だからです。
「施工」の業務を取りに行くために、「耐震診断」を行っているという会社も多いかと思います。
ですが、この「設計」と「施工」を同一会社が行うことは、大きなデメリットもはらんでいます。
それは、全体の「設計」を行い、工事を「監理」するべき人と実際の「施工」を行う人が同じ会社であるため、その内容に透明性が失われます。例えば、補強部分で大きな利益を出すための「過剰設計」もこの「設計、施工」が一体化していることの弊害のひとつです。

それに比べ、設計事務所は、「耐震診断」、「補強設計」、「施工時の監理(チェック)」がメインの業務といえるので、「設計・施工」が一体化してしまうことによる弊害は生まれにくいといえます。