▶ 第5回未来こども園建築デザインコンペ U-30 概要
【課題文】
心に「余白」を持たせることは、結果的に物事を円滑に進めさせるといわれています。
それは建築においても言えるはずです。
設計においてはもちろん機能性も重要ですが”豊かさ”や”楽しさ”を考えた時に必要となってくるのは
「余白」の考え方ではないでしょうか。
こどもは遊びの天才と言われています。「余白」はそんなこどもたちを生き生きとさせる可能性を秘めています。
こどもたちが自ら遊んでくれるような「余白」のあるこども園を提案して下さい。
子どもたちが最初に家族以外の人とふれあう場所
それがこども園(保育園)です。
誰もが過ごしたあの場所で、私たちは多くを学び、感じ、
最初の社会を体験しました。
遊びの中から子どもたちは人との関わりを学び
自我を目覚めさせ、ルールを知り成長していきます。
近年、女性の就業率上昇から保育園に対するニーズは多様化しています。
今後、益々進化を続けていくいくこども園。
こども園の可能性は無限大です。
第5回U30部門のテーマは『「余白」のあるこども園』
こどもたちが自ら遊んでくれるような、豊かな「余白」の空間をテーマに
今考えられる、未来を目指したこども園を考えてみませんか?
【審査結果】
このたびは、「第5回未来こども園建築デザインコンペ U30部門」にエントリー、ご応募をいただきありがとうございました。今回は大学生3年生・4年生、専門学校生に加え、大学院生、フリーランスの方達を対象とし、U30部門として募集を行いました。全国の学生様からご参加をいただき、180を超えるエントリー、70作品以上もの提出をいただきました。
今回のテーマは、『「余白」のあるこども園』
建物だけでなく豊かさや楽しさとしての「余白」の考え方を取り入れた、こどもたちが生き生きと過ごせるようなこども園の提案を募集しました。
U30部門では、自由な発想や創造性、テーマの明確さ等の観点において特に優れた作品を入賞作品として、最優秀賞1作品、優秀賞2作品、及びユーエス計画研究所の設計士たちが選んだUS賞1作品をそれぞれ選定させていただきました。
最優秀賞
床下に広がる子どもの世界
福井大学:加藤 穂高さん、濱井 亮輔さん、山口 仰さん、山田 裕大さん
[審査員総評]
子供の目線に着目し、床下空間を「余白」ととらえており、その中に環境や地域の「余白」という要素を取り入れられている点が評価され、最優秀賞となりました。
子どもたちが自由に動き回れる動線や、散りばめられたパレットが丁寧にまとめられており、楽しい案だと感じました。
こども園なので、安全面や防犯性を考慮できると、さらに良い案となるでしょう。
優秀賞
栖~成長に寄り添うこども園
福井大学:梅田 皓史さん、今野 隆哉さん、藤原 循平さん、リム プイホウンさん
[審査員総評]
構造を解き屋根裏の「余白空間」を広げてDENをつくるという展開の仕方は面白いと感じました。一見危険な提案ですが、ネット遊具で安全性も確保されており、子どもたちにとってはこれ以上ない遊び場となるでしょう。
円形の園の中心に皆が集まる場所を設け、地域の人も呼び込むという提案は良いですが、外構にももっと提案があるとさらに面白い展開が出来そうです。
優秀賞
Play Cube
立命館大学:石家 佳奈さん、神原 夏穂さん
[審査員総評]
大きさの異なるグリッドによって空間が使い分けられ、年齢ごとで使われ方が考えられている点は面白いと思います。園全体が巨大なジャングルジムのようで、ワクワクする空間となっています。
グリッドによる使われ方の自由度の高さは、「余白」というテーマにも合っています。平面的に見た時に少し単調な印象があるので、中庭などが設けられていると、より多様な空間になったのではないでしょうか。
US賞
マチを内包する大屋根
名城大学:市瀬 智之さん、神谷 尚輝さん、杉本 竜也さん
[審査員総評]
こども園の中に街の要素を取り込み、地域とのかかわりを持たせ、地域に開けたコミュニティの場としても展開できる点は素晴らしいです。「路地」を「マチの余白」とし、園の中にいくつも配置され、多様な空間体験ができるのではないでしょうか。ここに立体的なデザインや各クラス同士のつながりが感じられるとより良い提案になっていたでしょう。
■未来こども園建築デザインコンペ
過去の審査結果