構造設計により、建築物は台風や洪水、高潮・津波、頻発する地震などに耐えうる強度を持つことができるのです。
日本は構造設計が重要とされる世界屈指の国の一つでもあります。

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構造設計とは?《構造設計の意義》

2022年2月7日

はじめまして。設計監理部 構造設計担当の稲垣です。

この度、意匠設計事務所であるユーエス計画研究所に
構造部門が設立されたということで
改めて「構造設計とは? 」と題しまして、少しお話させていただきます。

まず、建築物の設計には3つの分野があります。
1. 意匠設計
2. 構造設計
3. 設備設計

意匠設計は、条件・環境を考慮し、デザインや使い勝手をになう全体的な設計
設備設計は、建築物における快適な室内環境の実現やエネルギーを最適化するための設計
そして 構造設計は
自重、地震、強風及び雪荷重などによる外力に対する安全性の設計を担います。
この3つの設計図面からやっと1つの建築物が成り立つのです。

構造設計により、建築物は台風や洪水、高潮・津波、
頻発する地震などに耐えうる強度を持つことができます。
日本は構造設計が重要とされる世界屈指の国の一つでもあります。


― 構造設計とは
それでは、構造設計について詳しくご紹介をしていきます。

らせん形状の構造デザインが美しい
モード学園スパイラルタワーズ


構造設計のポイントは、建物の土台と骨組みを様々な荷重に耐えられるように安全性能を満たしながら経済的に設計することです。

建築基準法に適合するように建物の基礎や柱、
梁・床・屋根などの耐力や形状、配置を決めていきます。

そして、構造設計の中で最も重要となるのが着手時に行う「構造計画」です。
構造計画では、
・構造種別(RC造、鉄骨造…)
・架構形式(ラーメン構造、ブレース構造…)
・柱をどこに建てるか
・梁や耐力壁をどこに設けるか
・基礎形式(直接基礎、杭基礎)
・設計クライテリア をどうするか
など検討していきます。

優れた設計者は、この構造計画の時点で
建物に発生する応力や変形がイメージ出来ており、建物の崩壊を防ぐための
設計のストーリーが頭の中で出来ているのです。
また、冒頭に述べた通り建物は構造だけで成り立っている訳ではありません。
デザイン性を守り、高めるためには意匠設計の知識も必要とされます。


東京大学の神田先生は
「構造工学とは本当に把握しきれてない材料、解析できない形状、
 評価しきれない荷重に対し、
 社会が疑問を訴えることの無いよう十分に確信させる技」
とも仰っています。

私も構造設計士として、皆さんに「安全である」と
確信していただけるような建築物を創っていきたいと思います。


設計監理部
稲垣


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