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ノーベル賞と費用対効果について

2016年10月4日
 
昨夕(10月3日)「生理学・医学賞」を大隅氏が受賞したことを臨時ニュースで知りました。ここ数年日本人の受賞が続いていて、嬉しい限りです。TNT火薬を発明し、戦争の道具として使用されたため、人類の平和と生活に貢献した研究(者)に対して、ノーベル賞を授与することが賞の主旨となったことは、ご存知の通りです。
「ビッグバン」とか「ニュートリノ」と言われても、私達の日常生活が変わるとは思いません。企業(会社)が存続するために、合理化や効率化とは無縁な気がします。今回の研究は、パーキンソン病や癌患者さんにとって、良報だと云われていますが、実用化はかなり先だとのことです。企業が追及する費用対効果には、まったく縁遠い話です。
しかし世の中には、こうした損得・費用対効果を無視した分野、部門が必要なのです。例えば、学校、病院、警察、消防、さらに云えば市役所、国会など、所謂公共性の高い分野が、それに該当すると思います。しかし現実は如何でしょうか。病院ですら「患者さんはお客様」などと、公言している病院すらある有様です。義務教育の学校でさえ、授業を保護者が金銭感覚で(消費者マインドで)価値判断する。警察や消防署が民営化されない訳は明白です。民営化されて、私達が消費者となったら、犯罪や火事に対する防御活動の恩恵を、万民が等しく受けることが不可能になるからです。
話が長く、何が言いたいのか、良く分からないのが私の欠点です。言いたいことは、次の一点です。「何から何まで、消費者マインドで物事を判断しない。」と言うことです。特に我々のように、卑しくも建築に携わる者としては、頭の隅に留め置きたいと思います。
突然、話は変わりますが(余計なことと、叱られることを覚悟で)結婚しない諸君に一言。最も身近な消費活動の拠点である、コンビニやスーパーも(かなりの確率で)近い将来、倒産して無くなるかも知れませんよ。毎日の生活でコンビニがゼロになったら如何します。少し真面目に考えて見てください。単身では日常生活が、極端に不便なことが明白です。ですから、早く結婚した方が良いですよ。(津坂)